ここまでの(1)~(5)の話を聞いてどうだったかな?
投資や副業、そして将来のことについて考える良いきっかけになりました。
あと、老後ってなんとなく遠い感じがしてたんですけど、そのための対策は今のうちから始めなきゃって思いました。
投資も副業も老後までの時間が長いほど有利だから、始めるなら若いうちがいいね。
投資のスタートが早ければ、毎月の投資額は少なくて済むし。
副業も、仮に毎月3万円の副収入がずっと続くと考えれば、当然早く始めた方がいいですよね。
そうだね。
毎月3万円と聞くと少なく感じる人もいると思うけど、一生涯で考えたら大きな違いになる。
それに、もしその3万円を投資に回せば、10万円に増やして老後に受け取るといったことも可能だよ。
なるほど、副業と投資の組み合わせってすごいですね!
「毎月100万円を稼ごう」みたいな話よりも、ずっと現実的な感じがします。
うん、無理がない金額だから再現性は高いと思うよ。
あと、最短ルートで資産形成をするために重要なポイントがあるから、それを伝えておこう。
はい、お願いします!
それは「いつでも相談できる第三者を確保する」ということ。
これはどういう意味ですか?
説明しよう。
アリスにも今後、周りの人から「今こんな投資案件があるよ」といった情報が入ってくる機会があると思うんだけど、このような話の99%はやらない方がいいんだよ。
99%も!
例えば、どういう情報には注意した方がいいですか?
本当にたくさんあるので挙げればキリがないけど、一例を挙げるとこんな感じかな。
・国内不動産、海外不動産
・銀行から紹介される投資信託
・海外積立投資
・●年後に▲倍になる仮想通貨
・出資額の●%の配当が毎月固定で出る
・利益は現金手渡しで非課税になる
・万が一の場合も元本は保証する
こういったものは違法なんですか?
違法のものもあれば、違法じゃないものもある。
例えば国内不動産なら、④で話したように業者による価格の上乗せリスクがあるけど、購入時に売買契約を結ぶから違法ではない。
なるほど、言わば合法的な詐欺といったところですね。
分かりやすく違法なのは「元本保証」だね。
正式に認可を受けた金融機関以外が、元本保証をうたって出資を募集すると出資法違反になる。
●●保証って聞くと一気に安心感が出てきちゃいますが、実は危ないんですね。
保証という言葉は特に日本人は大好きだけど、本当の意味で未来が保証されているものは1つもないと考えた方がいいね。
「保証する」=「保証できなくなったら逃げる」という意味だと思っておいて間違いない。
逃げられてしまえば契約書があっても無意味だし、元本の回収は不可能になる。
分かりました。
ところで、合法のものに関しては何が問題なんでしょうか?
これには2つの注意点がある。
①情報をくれる人に金銭的なメリットがある
②この先もずっと利益が出続ける保証は無い
それぞれ説明をお願いします!
まず①について。
例えばAさんという人が、わざわざアリスに「今こんな投資案件があるよ」と教えてくれるのは何故だろう?
案件を紹介すればそのAさんに紹介報酬が入るから、ってことですよね?
そうだね。
で、問題は「その報酬はどこから出るのか?」ってことなんだけど、これはアリスが投資をした金額の中から出ることになる。
たしかに、いきなり報酬がどこかから湧き出てくるわけじゃないですしね(笑)
例を1つ挙げると、銀行から紹介される投資信託。
これは購入時手数料がかかるものが多い。
例えばアリスが100万円を投資するなら、そのうち3万円は最初に引かれてしまったりするわけだ。
投資信託なら、今はSBIや楽天などのネット証券会社で、購入時手数料無料(ノーロード)のものがあるからそっちを選んだ方がいい。
了解です。
不動産の場合も、業者が価格を上乗せした分が、実質的に私が支払う手数料になっちゃうということですよね?
そういうことだね。
こういった見えない手数料は投資家の敵だから気を付けよう。
そこで重要なのが、第三者にいったん相談するということ。
例えばAさんから投資の情報をもらったら、Aさんとは無関係な人に相談するということですね。
そうだね。
紹介する側のAさんは、基本的には良い部分しか話さないからね。
投資に参加してほしいのに、わざわざデメリットやリスクを詳しく説明してくれたりはしない。
第三者に相談すれば、中立的な意見を聞けるわけですね。
相談できる人も、できれば2人以上いるとベターだよ。
分かりました。
でも1つ疑問があるんですけど、仲の良い友だちがお金に関係なく善意で紹介してくれるケースも考えられますよね?
もちろんあり得る。
ただその場合は、「②この先もずっと利益が出続ける保証は無い」というのが注意点になるよ。
僕が知っている事例で説明するね。
はい、お願いします!
とあるFXの自動売買の案件なんだけど、Bさんが参加して半年で資金が2倍に増えたんだ。
「これはすごい!」と思ったBさんは、仲の良いCさんに善意で情報を教えてあげて、それからCさんも参加することになった。
半年で2倍はすごいですね。
友だちに教えてあげたくなるのも分かります。
ところがその1ヵ月後、急な相場変動によって運用成績が悪化し、資金が半減してしまったんだ。
更にその後、盛り返そうにも上手くいかず、最後は投資額がほぼ全部なくなって案件そのものも潰れてしまった、という話がある。
うわー、そこまで聞くとめちゃめちゃ怖いです。
Bさんは純粋に良かれと思って紹介したのに、友人のCさんを被害に巻き込んでしまったんですね。
そういうことだね。
これは何が問題だったか分かるかな?
「Bさんがたまたま良い時期を経験しただけで、Cさんにオススメしてしまった」ということですかね?
正解!さすがアリスだね。
このように一時的には高いパフォーマンスが出る投資があっても、その成績が何十年先も続く可能性はほぼゼロと言っていい。
一発逆転の大儲けを夢見てそんなものにばかり投資をしていたら、逆にお金が減ってしまう。
仲の良い人から聞いた話であっても、結局はその中身をちゃんと見なきゃいけないですね。
そうだね。
だから、人づてに聞いた投資案件はできるだけ避けて、余計なリスクを負わないこと。
言い換えれば「自分のお金を徹底的に守りながら運用する」ということが重要だね。
投資って増やすことに目が行きがちですが、減らさないという意識の方が実は大事なんですね。
何に投資をしても、必ず「お金が減るリスク」にはさらされる。
そのリスクを低く抑えて運用することが、老後に向けた資産形成の最短ルートだと言ってもいい。
分かりました、ありがとうございます!